初めに申しあげておきますが、鍼が良いとか悪いとか言うための記事ではありません。鍼でもマッサージでも他の分野でも素晴らしい方はおられるはずです。どの分野でも適切に対処すれば早く改善できるものがあるのだと皆さんにお伝えできればと考えています。
今回の女性は約30年前の20代の頃から腰痛を抱えていました。来院された4年前には介護の時に強い腰痛で動くのが大変な時期がありました。5か月前には腰痛で休職をせざるを得なかったようです。
その1か月後からはベッドから起き上がるときに腰を浮かすことができないので、うつ伏せになってから四つん這いになり起き上がっていたそうです。特にいらっしゃった2日前から腰痛が激しくなり、ある方からご紹介を受けて私のもとを訪れました。
腰痛が良くなってから伺った話です。1年間鍼に通っていましたが、治らないので止めたそうです。今回は腰痛が急に強くなりどうしようもないのでいらっしゃいましたが、長い間、腰痛で苦労されていたのですね。
西洋と東洋のいいとこ取りをすれば良いと考えています。薬を使うことに抵抗がある方もいらっしゃるかもしれませんが、痛みを抑える意味では湿布や薬の使用はやはり効果的です。
痛みの種類により効果的な薬や湿布は異なりますので、診てもらって、医師に処方してもらうことをオススメします。また薬剤師さんのいる薬局で相談されるのも手です。
この方も痛み止めを使ってらっしゃったようですが、詳しく話を伺うと、用法用量を守っておらず、中途半端に使ってしまっているということでしたので、きちんと使った方が良いとアドバイスをしました。
来院された当日、薬をしっかりと服用したおかげで楽になったと仰っていました。身体を押すと炎症も抑えられている様子で遠慮なく施術することができました。
仙骨周りの張りは気になりますが、筋肉の張り、骨の歪み具合などを診てみると問題なさそう。施術が終わり、歩いていただくと左大腿外側に違和感がありました。しかし、腰の具合は良さそうで、歩くスピードはまずまず、感触も良さそうでした。
次回、大腿外側の違和感がどうなったかを確かめる必要はありますが、順調ならばこの腰痛の施術は次で終わりにしますとお伝えしました。
約1週間後。とても良い顔つきをしていました。お話を伺うと痛みが10分の1か2に減ったとお話しくださいました。体調が良くなると顔つきも変わるものですね。
施術後から良くなったことを実感してくださり、歩くときにお尻の筋肉が動くようになったと感じたようです。翌日の朝からは痛みなくスッキリ起きられるようになり、とても喜んでくださいました。よっぽど苦労なさったのでしょうね。私も嬉しいです！
予防のためコルセットはしていましたが、痛み止めは施術の翌朝以来、飲んでいませんでした。左大腿外側の違和感もなくなりました。通勤時の腰痛もなし、いつもなら立ちっぱなしの仕事も午前中から座りたくなっていたのが終わるまで腰を気にすることなく座ろうとしなかったようですよ。仕事に集中出来ましたね。
身体を押すと仙骨周りはまだ弱く、残り1～2割の痛みを消すにはここを改善する必要があります。前回と違い、筋肉は動いてきた張りをしていました。痛みが減ったのでちゃんと動かせるようになったからです。この張りは、良くなる過程ですから気にする必要はありません。施術で抑えれば良いだけです。
予定通り、今回の腰痛に関する施術は終わりです。2回で終えることができたのは適切に対処できたからです。しかし、これが皆さんに通じるとは限りません。その人その人によって対処の仕方が違うからです。ですから、一人で考えずに専門家にご相談されることをオススメします。
この女性は、予定を組んでいた山登りをしてきました。その後もテニスにゴルフと復帰されます。これからもどんどん遊んで楽しい人生を作っていってほしいと思います。
私は、そのお手伝いができてラッキーでした。このような方が増えるように努力していきたいと思います。
1977年生まれ。祖父・父・兄が揃って「整体・指圧・マッサージ」の治療院を開設する、いわばこの世界のサラブレッド。学生時代はスポーツ（ゴルフ）に取り組み、大学卒業後、会社員を経てこの世界へ。
2005年独立開業。以来、からだに触れながら、その背景にある生活スタイルやこころのバランスなどにも目を向けた、トータルケアを心がけている。
平成16年 国家資格 あん摩マッサージ指圧師免許取得（第121762号）
