最近の天候は猛暑続きで熱中症による死亡者も多数出ています。熱中症に気を付けることは大事ですが、エアコンの中で生活することにより身体の芯が冷えてしまい、それによって身体が硬くなり、痛みが出たり可動域が狭くなることがあります。
今はテレビやラジオ、雑誌などでも熱中症対策は言われており、エアコンはつけて下さいと注意を呼び掛けています。私もそう思います。子供と外に出て遊んで家に戻ると軽い熱中症かなと思うことが今年もありました。ですから、帽子を被り、飲み物を持って外出し、家に帰ったらエアコンをすぐにつけることにしています。ましてや連日の35度前後のお天気では当然、エアコンを使うべきだと思います。
私は室内で仕事をしているため、平日はそのようなことに気を配ることなく過ごしていますが、どうも身体の冷えを感じるようになってきました。毎日、エアコンの中で仕事をしているため身体の芯まで冷えてしまったようです。芯まで冷えるとなかなか身体を温めることに時間が掛かります。
そうなると、身体のトラブルにつながります。落ち着いていた肩や腰、膝の痛みを感じるようになったり、足がつることも出てきます。身体が冷えると血流が悪くなり筋肉が硬くなります。それによって痛みが出たり、可動域が減る場合もあります。足がつることの理由は水分不足ということもありますから、日中の水分が足りていないということもありますが、冷えによって足がつるとも言われています。
風邪やアレルギーも発症する可能性が高くなります。冷えは免疫を低下させ、風邪をひきやすくします。アレルギーは冷えると症状が出やすくなりますね。通常、身体を冷やして良いことはありません。
だからといってエアコンを消すわけにはいけません。熱中症対策も必要ですしね。であるならどうすれば良いか。まずはエアコンの温度を低すぎないように設定することで、私は26度~28度が好きです。戸建ての2階や3階、マンションの高い階層に住んでいらっしゃる場合は、室内温度が35度前後やそれ以上なんてことがあるかもしれません。そんな時には設定温度を28度~29度でも十分だったりします。元の温度より2度~3度低くなるだけでも涼しいですし、湿度も下がりますからけっこう快適です。扇風機を使ったらもっと良いでしょう。室内の温度がまんべんなく一定に近くなるうえ、空気が動いていると涼しく感じやすいものです。
エアコンや扇風機の風が直接当たらないようにしてください。
風が当たることによって体温が下がりやすくなります。喉も痛めることもありますから風が来ない場所に布団やベッドを移動するのがベスト。移動が難しければ寝る位置を変えることでも良いと思います。上半身に風が来ないようにして、下半身はタオルケットや掛け布団で風が当たらないようにすれば冷えを防げます。
私のお客様でお辞儀がしにくくなった方がいらっしゃいました。ある日、お辞儀がしやすくなり、身体の張りが少なく筋肉がやわらかい状態でした。「何故でしょうね?」なんてその日は施術が終わり、その次の時にもお辞儀がしやすくなっていました。
実は、背中にあたっていたエアコンの風を当たらないように寝る向きを変えたそうです。お辞儀がしやすくなった時期とちょうど一致していましたから理由はそれでしょう。全体的な筋肉の張りも良くなっていましたので背中だけが良くなったわけではなく、背中にあたっていた風が、身体全体に影響を及ぼしていました。
エアコンの工夫をしたところで、冷えた身体を温めたいと思います。やはりお風呂に浸かることが一番だと思います。身体の芯まで温まることができますよね。入浴の仕方は熱くなくぬるま湯でと言われていますが、好みがありますから度が過ぎなければ好きな温度でも宜しいでしょう。今は夏ですからぬるま湯(38度)が良いと思います。私はそれでは身体が温まらず風邪をひきそうなために39度~40度です。
身体の芯が冷えているとお風呂に長く浸かっていても冷えている感覚が残ることがあります。そんな時には2~3回に分けて浸かります。例えば、初めに少し浸かり、身体を洗ってまた浸かる。頭や顔を洗って浸かります。そうすると、身体が温まっているうちに浸かるので血液が循環しやすいのでしょうね。芯まで温まった感覚が出てきます。結果的には長く浸かったことになりますが、身体の負担は1回で長く浸かるよりも軽くなると思います。ただ、面倒くさいだけです(笑)
気を付けていただきたいのは脱水です。お風呂の前後にお水を飲んでいただくか、浸かっている間に飲むことも脱水対策になるでしょう。それからこの時期は入浴後に汗をかきますからしっかり汗を拭きとってください。汗をかいたら温めた身体が冷えてしまいますのでお気を付けください。
それから飲み物です。冷たい飲み物をガブガブいきたいところですが、ガブガブを少なめにしていただき、常温や暖かい飲み物を飲んでください。エアコンの中で飲む暖かい飲み物は夏でもおいしいですよ。
お酒の時もそうです。冷たいビールや冷酒なんかもおいしいですもんね。せめて二日酔い防止のお水ではなくお湯にしていただけると冷えを軽減します。
食事をとることで熱が上がります。しっかり三食とって身体を温めて体力もつけてください。
まだまだエアコンを使う時期は続くでしょう。このような夏の冷え対策をして筋肉が硬くならないようにしておけば、痛みや足がつらなくなると思いますよ。
1977年生まれ。祖父・父・兄が揃って「整体・指圧・マッサージ」の治療院を開設する、いわばこの世界のサラブレッド。学生時代はスポーツ(ゴルフ)に取り組み、大学卒業後、会社員を経てこの世界へ。
2005年独立開業。以来、からだに触れながら、その背景にある生活スタイルやこころのバランスなどにも目を向けた、トータルケアを心がけている。
平成16年 国家資格 あん摩マッサージ指圧師免許取得(第121762号)