50代にして初めてぎっくり腰になった50代男性が来院されました。5年ぶりのサーフィンした翌日に筋トレをしたら腰痛になってしったのですが、いつもより軽めの重さだったにもかかわらずデッドリフト中に痛みが出てしまったようです。
筋トレのデッドリフト中、いつもより10~20㎏少ない重さで持ち上げた時に腰に痛みが…。寝る時、起きる時、靴下を履く時、ズボンを履く時に痛みを感じるため、身体を動かすことに怖さを感じていました。
右第4腰椎~第1仙椎の感触が他の場所と違っていたのでここが原因だと分かりました。私が「右腰が痛みますか?」と伺うと「はい、そうです。」とお答えがありました。
マッサージを受ける際は、いつも右の背中や腰が硬いと言われていたそうです。もともと右腰が悪かったのでしょうね。その負担が背中にも現れているので右の背中も硬かったのだと思います。
原因が右腰だということは分かりました。何故ぎっくり腰になったのでしょう?それは5年振りにサーフィンしたからです。上述したように、もともと右腰が悪かったところ、サーフィンをしたことで悪化をしてしまいました。
悪化した腰のままデッドリフトしたことでぎっくり腰になってしまったのです。もしかしたら、悪化した腰をかばうためにフォームも微妙に狂っていたかもしれませんね。そのため、いつもより軽い重さでも痛んでしまったわけです。
こういう時はしっかり休むこと。筋トレはお休みにして来週にするか、ストレッチやウォーキングくらいで済ませば腰痛になることなく悪化した腰を回復することができます。普段、慣れない運動した後は、このようなことを試してみてください。
この男性は仕事が忙しく平日は夜遅く帰宅されます。週末は趣味で忙しく過ごされます。ストレス解消するために色々なことをなさっているそうで、前述した筋トレにサーフィンに加えてゴルフもなさいます。
ストレス解消に趣味で過ごすことは賛成ですが、休むことも大切です。動くことに重きを置いているために、バランスがうまく取れていませんでした。初回の施術で8割方改善しましたが、腰の痛みが完全に落ち着きません。
3回目の前にサーフィンをしてからいらっしゃいましたが、右腰の張りが強くなって縮こまっていました。サーフィンは腰にかなりの負担をかけるようです。1週間は筋トレを中止していただき様子を見ることにしました。
4回目の前に筋トレをしてからいらっしゃいました。この日は筋トレ後、腰痛になることがありませんでしたが、ゴルフの翌日に腰の痛みを感じたそうです。
結局、腰の問題は解決しましたが、ゆっくり過ごす時間を増やすともっと回復が早くなります。1日でも早く痛みを回復させたい方は、動と静のバランスを意識してみてください。
ある日、いつもより軽めの40㎏のバーベルを使ってスクワットをしていたら腰痛になりました。2つの理由が重なったことが原因です。
まず、筋トレ前日に2時間かけてショッピングしていました。身体づくりが終わってない中、たくさん歩いたことで右腰に負担が掛かりました。次に、この負担が掛かった状態の中、スクワットしたため腰痛になりました。サーフィンの後のデッドリフトと痛む過程が似ていますね。
私は、スクワットやデッドリフトなど、重いものを持ち上げるときは、状態が良くても腰にベルトを巻く必要があると思っています。重いものを持ったトレーニングは、フォームが数ミリ崩れただけでも怪我をしてしまいます。ましてや疲れた状態というのは筋肉のバランスが悪く、フォームが崩れやすくなってしまいます。今回もこういったことで腰痛になったのでしょう。
結局、7回の施術で身体づくりを終えることができました。次からは定期的なケアに入ります。腰の他にも、右肘と左膝の痛み。肩の可動域の少なさがありましたが、施術とストレッチをしっかりと続けたことで良い状態になりました。
今は、筋トレブームということでたくさんの方が筋トレをしたり色々な運動をなさっていることでしょう。筋肉が大きくなったり、スタイルが良くなったり、結果がしっかりと現れることが大きな要因だそうですね。
結果を求めるために激しい筋トレや運動をなさっている方が多いと聞きますが、私はその分だけ、怪我をされる方も増えていると考えています。また、今は良くても数年後に筋肉や関節の痛みで悩む方が増えると思っています。
痛みは数年後、数十年後に積み重なって大きな怪我や症状になるケースをよく目にします。目に見えるものではないですからとても難しいのですが、自分の能力の範囲でやっていただき、運動後のケア、休養もしっかりと考えてください。
1977年生まれ。祖父・父・兄が揃って「整体・指圧・マッサージ」の治療院を開設する、いわばこの世界のサラブレッド。学生時代はスポーツ(ゴルフ)に取り組み、大学卒業後、会社員を経てこの世界へ。
2005年独立開業。以来、からだに触れながら、その背景にある生活スタイルやこころのバランスなどにも目を向けた、トータルケアを心がけている。
平成16年 国家資格 あん摩マッサージ指圧師免許取得(第121762号)