榊城整体院

変形性頚椎症で腕がしびれ、腰部脊柱管狭窄症で脚がしびれていた50代女性の施術例

以前、レントゲンで変形性頚椎症の診断があり、来院されてから1年後の検査で第4腰椎脊柱管狭窄症が分かりました。来院された当時は1週間前からの腰痛と左脚のしびれ、両腕のしびれがありました。歩くこともままならず5~10分歩くと痛みで休みまた歩くといったような脊柱管狭窄症の典型的なパターンがみられました。

 

約30年間の疲労の塊、この疲れを取ることは至難の業だった

朝起きて腰を曲げることが辛かったそうです。とにかく症状が多いため全身の施術をして状態を確認することに努めました。左腰よりも右腰が強く張っていました。背中や大腿後側の張りも強いです。押すことも大変で時間がかかり、初めは1週間に1回は来るようにお願い致しました。

 

施術を3回続けても張りに変わりがなく硬いままでした。右上腕の圧痛や首の圧痛がありました。草むしりをして左肩が痛くなり左母指(親指)関節痛になりました。第7頸椎から第3胸椎まで縮こまりつまっていました。左手で荷物を持つと左腰に響きます。ありとあらゆるところが傷んでいるようです。

 

4回目には左臀部(おしり)痛があり、右脚は歩くとしびれました。左肩痛、左母指関節痛はまだ残っています。しかし、翌週には右足のしびれはなくなっていました。

 

この方もまたとても忙しい方です。お母様のお手伝いから看護に介護。ご主人様、お子さんたちのお世話などいつも走り回っていて30年くらいは経っていますでしょうか。もう身体が疲れ切ってどこから手を施そうか施術すればするほど悩みました。30年間の身体の疲れが溜まりきっていましたから、この疲れを取ることは至難の業でした。

 

忙しすぎて改善せず、それでも施術で楽になることが嬉しい

珍しくお休みを取ってご旅行に行かれた時は身体が休まっており、施術しやすいお身体でした。普段からこのくらい休まっていると早く良くなってくれるのですが、そうはいきません。次の際には身体に忙しさがにじみ出ており押すことも困難でした。

 

高野山まで行き、1万8千歩を2日間。結婚式に出席して和装だったのでしょう。下駄を履いたら右足の甲が痛み左足がしびれていました。結婚式出席後、あまりにも背中が辛くて私に電話しようと思ったくらいでしたが、なんとか予約日まで我慢されたことがありました。

 

翌週も右足背(右足の甲)の痛みや右足のしびれ、歩くと左脚のしびれがありました。足底(足の裏)はちょっと押すだけでも強い痛みを感じていました。土踏まずがなく偏平足の状態でした。

 

東京ドームで野球観戦。東京ドームの椅子は硬く、椅子と椅子の間が狭くて腰には良くありません。どうしてもというときには座りっぱなしをせずにちょくちょくと立って歩き、血流を滞らせないようにすることが必須です。ただ、通路側でないとなかなかできませんよね。とにかく外出の多い方でした。

 

施術開始から約4か月後には、しびれがない日がありました。ただ、お花のお世話をしていたら左腰~臀部痛になり、その3日後の施術した帰りに階段の昇降で右脚が痛みとしびれを感じた時もありましたが、その日限りで落ち着きました。施術したことで筋肉の張りが変わって骨が動き、施術後にしびれを感じたり強くなることがありますがご心配いりません。2~3日でこの動いた筋肉や骨が落ち着き良い状態になればおさまります。

 

それから2週間後には左腰の痛み、歩くと右脚がしびれ・痛みがありました。動きっぱなしが回復を妨げ、改善を遅らせます。何度かもう少しゆっくり過ごせないかとご提案しましたが、この生活習慣は直りませんでした。それでも施術することで楽になり症状が落ち着くために喜んでいらしたようです。

 

引っ越しの荷造りや重い荷物運び、雪かきも避けてほしい

施術開始5か月後には脚のしびれを感じない日が2週間ありました。しかし、その次の週には右足のしびれを感じていました。無理に歩くと良くなるようですが、血流が良くなるということでしょうか。腰の張りや重み、腰を反らしてみましたが、腰が丸くて固まっていたためにこの日の施術を非常に嫌がっていました。腰が丸まらないために、普段から腰を反らす体操をお願いしました。

 

この後4週間空きました。この間、しびれをかんじていましたが、直近の1週間はしびれがありませんでした。しかし次の1週間は右脚のしびれが続きました。どうやら雪かきやお子さんの引っ越しのお手伝いしたことが原因のようです。

 

翌週はしびれがなくなったのですが、夜に右臀部から右下肢が激痛で動けなくなり、そのあと湿布を貼り就寝してしのいだようです。その1週間後は腰の痛みはありませんでしたが、右足のしびれと右腕のしびれがあり、箸を持つときなど細かい動きの時に右腕と右手にしびれを感じたようです。

 

3週間後にはコルセットをつけながら家の仕事をしてもらいました。台所に立つ時間が長いためです。土いじり、重いものを持って部屋の片づけや模様替えでもコルセットはおすすめです。そのかいあって少しの痛みとしびれで過ごせた1週間でした。

 

翌週は重いものを持っても腕がしびれないようになりましたが脚のしびれはありました。脚だけしびれる日があれば臀部から脚にかけてのしびれもありました。重たいものを持ったら脚がしびれたことがありました。しかし、腕のしびれはないままです。頚椎の方はだいぶ良くなってきたようです。もう少しで施術開始9か月後になるところでした。

 

手術は避けたい!でも変わらない不安から手術を考えるように

施術開始から9か月後。天気が荒天のため、急遽植物の鉢を移動したり固定したりしていました。違う日には4時間くらい手紙を書きっぱなしだったこともあり、歩くと腰~臀部の下までしびれていました。休むとしびれはおさまりました。この時もコルセットをつけて欲しかったです。身体の負担が減りますから筋肉が硬くなるのを防げます。それでもまた土いじりをしたり歩くとしびれる日がありました。2日間で2万6千歩(1,8万歩、8千歩)という日がありましたが、しびれはあまり出ず2日のうち1日は少しだけだったようです。

 

身体は良くなっているのですが、根本的な改善までは程遠い感じ。根気よく続けて改善することを待つしかありませんね。ある日、1人の時間ができたために午後から夜遅くまで趣味の鎌倉彫りをして座りっぱなしでした。案の定、右脚のしびれと痛みが出て歩くことが辛くなりました。

 

施術開始から1年経ったところで右脛のしびれがあって筋肉はパンパンに張っていました。思うように良くならないため、手術をしないと治らないかもという不安を抱えていました。私もなかなか良くならないことに焦りと不安な気持ちがありましたが、初めと比べて筋肉の張りが柔らくなっていること、しびれがない日があることなど改善はしているので自信を持ってお客様にも大丈夫だとお伝えしました。

 

それから3週間後、1週間右脚のしびれを感じていて、施術当日が特に辛く歩きづらそうでした。しびれを長いこと感じていたため病院で検査を受け、第4腰椎の脊柱管狭窄症だと伝えられたそうです。この疾患は治りにくいので我慢が必要です。手術を選択肢に入れたもののご本人が手術を望んでいませんでしたのでこのまま施術を続けていくことにしました。

 

この方の良さはバイタリティー。ご性格に合わせて施術プランを考えることが「榊 城 整体院」流

施術開始から1年2か月後。今度は2,3日間左肩が上がらなくなってしまいました。翌週も左肩の具合は悪く、挙上してある角度になると痛みました。身体の後ろの方から手を上げようとすると痛くて上がりませんでした。五十肩のような症状でした。

 

次の週、左肩を上げたら痛かったのが下げても痛みを感じるようになってしまいました。そして表参道から当院まで10分もかかって辿り着いたそうです。通常、5,6分ですから、その倍くらいの時間になるほど歩くのがお辛かったわけですね。

 

翌週も歩くのに時間がかかりました。それでも掃除機をかけたりせわしなく仕事をしていたため、痛みが強くなり歩くことにも響いてしまったようです。その次の週も歩くのが辛いうえに掃除するときに身体を捻ることが難しくなってしました。今度は2週間後、そんな無茶していたにもかかわらず、施術のかいあっていつものスピードで歩けるようになりました。第4腰椎付近の脊柱管の神経にしっかり触れていたのが軽くなったのでしょう。

 

1週間後、重たいものを持ったり散歩して8千歩があったために右脚がしびれましたが、この時の施術からとても身体が良くなったらしく美術館巡りでまた8千歩、鎌倉彫りを4時間やっていました。

 

この方の特徴は良くも悪くもこのバイタリティー。私も少し分けていただきたいくらいです。これだけつらい思いをするとめげて外出したくなくなるものなのですが、全く変わりません。私はこのバイタリティーを良い特徴として捉えたために、このような忙しさをよっぽどの時以外は止めませんでした。そして、私の施術で楽になると信頼していただいていたからこそ、全く変わらず生活していたのです。

 

3週間後、ご旅行へ行き2日で2万歩でした。万全を期すために杖を使ってみたら久々に腕がしびれてしまいました。脚のしびれは杖のかいがあって少しだけでした。脚をかばうために使った杖を持っていた腕が脚の分をカバーしようと頑張ったのでしょうね。次の3週間後には腕のしびれはおさまっており、脚の方も植木鉢の上げ下ろしをしたにもかかわらずしびれていませんでした。

 

しびれているのに20分歩く。良くなる感触、気力が出てきた

2週間後、右足のしびれがあったにもかかわらず青山一丁目から歩いてこられました。普通に歩いて20分~25分くらいでしょうか。結構な距離なのに歩けるという感覚と歩こうという気力がある証拠です。これは初めての行動でした。気力が出てきたということは身体が良くなってきた証拠ですよ。しかし左肩の痛みはまだ続いてました。

 

2週間後。今度はご用事があって外苑前から歩いてこられました。この時は杖をついて歩いていましたが安心のために持ってきており、身体はさほど悪くはありませんでした。しかし、不安があるから持ってこられたわけです。気力が出たり不安があったり不安定な状態はまだ良くない証拠。まだ続けなければいけませんでした。

 

施術開始から1年7か月後。左肩痛やしびれは改善することなく良くなったり悪くなったりを繰り返していました。雪かきをしたり、土いじり、部屋の片づけで重いものを持ったり、外出が多かったりと相変わらず休む暇なしです。本当なら無理してでも休んでほしいのですが、私が施術でカバーするしかありませんでした。

 

施術開始から1年9か月後には左肩が良くなってきました。痛みが少なく湿布を貼ることさえなくなりました。その1か月後には痛みがほとんどなくなり、左肩を下にしても痛みがかなり少なくなってそのまま改善してくれました。さて、脚のしびれをいい加減に改善しなければいけません。

 

2年でしびれを感じなくなる。杖を使わず元気に歩ける

施術開始から2年が過ぎたころ、5週間続けてしびれがない時がありました。こんなに長い期間しびれなかったことはありませんでした。もしかすると脊柱管が拡がって神経に触れなくなった兆しかもしれません。

 

翌週(6週間目)は少ししびれていましたが、次の週にはしびれは消えてしまい、1泊2日のご旅行で3万歩という時がありましたが、調子良く杖も使わず歩いていました。その後もしびれは感じなくなり、杖を使うことなくいつもの調子で歩けるようになりました。

 

2年かかりました。長かったですね。いやいや本当に良かったです。

 

あれから4年以上も経ち、その後も無茶な生活を続けているこの方は、毎週ではありませんが続けていらっしゃっています。時には痛みがありしびれを少しだけ感じることもありますが、歩くのは何も問題なく施術をすれば1回で良くなるお身体になりました。

 

脊柱管狭窄症は手術をしても完治することはなかなか難しいようです。この方のように手術を受けない方がいらっしゃれば、手術を受けても良くならず施術を受けにいらっしゃる方もおられます。脊柱管狭窄症にならないことが1番ですが、もしこの疾患を抱えることになったときには焦らずじっくりと向き合って改善の道を進んでください。

 

重い症状の中、腰に負担をかけ続けた生活をしても良くなりました。皆さんに当てはまるかどうか分かりませんが、改善するチャンスはあるはずです。病院や我々のような東洋医学など、様々な選択肢を捨てずにご自分に適した方法を見つけてください。

 

整体の知識や施術例、身体とこころに関することをブログに書いています

榊城整体院院長 榊 城 Sakaki Jo

1977年生まれ。祖父・父・兄が揃って「整体・指圧・マッサージ」の治療院を開設する、いわばこの世界のサラブレッド。学生時代はスポーツ(ゴルフ)に取り組み、大学卒業後、会社員を経てこの世界へ。

2005年独立開業。以来、からだに触れながら、その背景にある生活スタイルやこころのバランスなどにも目を向けた、トータルケアを心がけている。

平成16年 国家資格 あん摩マッサージ指圧師免許取得(第121762号)