ぎっくり腰で来院。期間は9日間で3回の施術、海外出張でも痛みなく仕事ができた

来院される前の1週間、腰痛が強くなったぎっくり腰の60代女性がいらっしゃいました。特に来院された日がさらに辛く、私のお客様に連れられこちらにお越しになりました。

身体は悲鳴を上げる寸前。仕事量と短い睡眠が引き金に

ぎっくり腰の特徴ですが、普通に歩けない状態でぴょこぴょこ歩いているご様子。ペンギンのような感じでしょうか。動かし始め痛で、歩き始め、立ち始めなどで痛みを感じます。歩いてしまえば痛みがあまりなく歩けていました。最初の動きで痛みを感じるようです。ベッドに寝たり起きたりするときも痛みますから時間がかかります。寝返り痛もありました。

慎重に施術をしますが、指圧・マッサージ・整骨はいつも通りにしました。普段は肩の痛みで苦しんでいるそうですが、この1週間は腰痛です。恐らく、痛みは肩にしか感じていなかっただけで首や肩、背中、腰はボロボロの状態でした。肩が痛くて夜中に3回くらい起きていたそうです。

人間は痛みで判断しますので肩だけが辛いと思っていたようでしたが、そんなことはありませんでした。それを長い間放置していたので腰が限界にきて痛みを出したのでしょう。どこに痛みが出てもおかしくない状態でした。

しかも仕事は忙しく、なかなかお休みも少ないようです。仕事量が多くて、睡眠が少ないパターンは身体に良くないですね。それが溜まりに溜まって症状となって現れたのでしょう。

順調と思った矢先の腰痛再発。フォローの施術で乗り越えた

この時は、右の腰方形筋を押すと痛み（圧痛）、右の第5腰椎から仙骨がズレている様子でここも圧痛。背中、腰、大腿部を施術した結果、かなり良くなり歩き方も良くなりました。寝返り痛も少なくなり良くなったことを実感していただきました。

2回目は6日後。1回目の施術後にかなり楽になったそうです。この時は腰よりも首や肩に辛さを感じていたそうですから腰の状態がかなり良くなったのでしょうね。

腰は左側に痛みを感じていました。左向きから右へ寝がえりするときだけ痛みます。反対は痛みなし。動かし始め痛もかなり少なくなりました。右の首から背中が張っています。前回と同じように施術をしました。

その次の週は出張が入っていましたので次回は約2週間後です。ご本人は不安があったようですが、私は問題ないと思っていました。

しかし、翌日にご連絡があり2回目の夕方から腰がまた痛くなったとのこと。おかしいです。おかしすぎます。あれだけ順調に来ていたのに何で悪くなったのでしょうか。あまりにも状態が悪く、出張先での不安もあるため2回目の3日後にいらっしゃいました。

歩き方がかなり遅く痛みがあるためにすべての動作が遅くなってしまいました。動かし始め痛も寝返り痛もあって、特に右へ寝返るときに痛みを感じていました。2回目の夜は痛くて眠れなかったそうです。不安でいっぱいなご様子で声も小さく張りもありませんでした。

今度はかなり慎重な施術でした。時間をかけてゆっくり押していきました。痛みを感じていたため、寝返りもゆっくりです。とにかく腰椎から仙骨周りの筋肉を緩めました。仙骨周りの筋肉がかなり弱っていたために力が出るように施術しました。

まだ痛みを感じながらお帰りになりましたので翌日の午後にご連絡をいただくようにお約束しました。痛みが残っていたら、施術やアドバイスなどで対処しようと思っていたためです。

ドキドキ電話を待っているとお電話があり、「先生、良くなったよ！」と、とても元気な声になっていました。それから少しお話をして次回は予定通り2回目から約2週間後の出張から帰ってきた後です。フーっと大きな息を吐き本当にホッとしました。良かったです。

施術後は静かに過ごすことが身体をさらに良くするコツ

しかし、なんで腰が痛くなったか考えてみました。私の施術が悪かったのでしょうか。1回目の方が状態が悪く、同じような施術をしましたので2回目の状態が良い時にあんなに悪くなるはずがないと思います。

そこでお客様の行動を思い出しました。ものすごい重いバッグをお持ちなのですが、靴を履くときにとても負荷のかかる持ち方をしていたのです。たまたま変な持ち方をした上に、思いバッグを持ち歩き、長い会議で座りっぱなしならば可能性があります。これは可能性の話ですので当たっているかどうかわかりませんが、避けていただきたい行動です。

ホームーページにも書いてありますが、施術後はなるべく静かに過ごしていただきたいのです。施術後は身体が不安定なため、いつも同じ行動をしていても負担がかかりやすく痛みを起こすことがあります。良くなったとしても身体は押されて今までと違う身体に違和感を感じるのです。それが落ち着くのが約2～3日間です。

しかし、もしそうなったとしても今回のように施術をしてフォローすることができます。施術をしなくてもアドバイスだけで落ち着く方法もありますのでご安心ください。

順調にいかないことも施術のセオリー。不安にさせないことが良くなる秘訣

4回目の施術です。とても調子よく過ごしていたようで仕事もバリバリこなしてきたそうです。私としてはもう少し控えめに過ごしてほしかったのですが、ご本人が喜んでいらっしゃればそれが一番です。

この時には腰の痛みだけでなく首、肩も気にならなくなり朝までぐっすり眠れるようになったようですよ。やっぱりぐっすり眠れると気持ちが良いですね。しかも体力回復できますから仕事で忙しい方にはもってこいです。

身体を押すと左首の圧痛、左仙腸関節の圧痛・緩さ、右腰椎の硬さや圧痛、右の仙骨の張りや弱さがありますが、前回と比べたら格段に違います。ここまでよく状態が上がってくれました。応急処置としてはバッチリです。後は身体を整えたいところですが、この方はここまでです。その後も調子が良いようですし、ご連絡がないということは悪くなっていない証拠でしょう。

順調にはいきませんでしたが、身体を改善するときは良くなったり悪くなったりしながらも右肩上がりになっていくものです。順調にいかないものです。この時に大事なことは相手を不安にさせないことです。不安を感じると不思議なことに身体が良くなってくれません。ですから信頼していただくことはとても大切なのです。信頼してくだされば、身体が良くなるかどうかの不安が減ります。

3回目の時はとても不安な声でいらっしゃいましたが帰りはこの声が変わりました。所詮結果論ですが、私はこの声を聴いて良くなるなと思いました。ですから不安を取り除くことは身体の痛みを取り除くことに通ずるのです。これからもこのことに気を配って施術してまいります。