以前、こちらのブログでぎっくり腰だと思っていたのが第2腰椎の圧迫骨折だったことがわかった80代女性がいらっしゃいました。実は、その後も医師の了解を得て休むことなく施術を毎週続けていました。
立ち、座りは右脚に体重を乗せて、手も右大腿に当てないとなかなか動かせませんでした。コルセットを病院で作ってもらいましたが、着けても痛くて横向きになれませんでした。コルセットを取れる時はシャワーを浴びるときだけ。それ以外は着けないといけませんでした。
寝るときも、横になれないため座って寝ていたようです。これではなかなか熟睡できません。しかしながら、これしか方法がなく横向きになれるまで我慢するしかありませんでした。
病院で作ったコルセットは硬いため、横向きになれたとしても身体に当たって痛みました。痛くなってから約1か月半後には横向きにはなれましたが、ずっと横向きになることはできず、睡眠は横になったり座ったりの繰り返しで熟睡できませんでした。結局、コルセットが取れる1週間前までは朝まで横向きに寝られることはありませんでした。
施術も初めは座ったままでしかできないため、肩や背中、腰の触れる部分だけを押すことしかありませんでした。その時に気づいたのですが、足の甲が強く浮腫んでおり、パンパンに張っていました。靴も少し大きめの靴を履かないといけないくらいでした。
その為、脚のマッサージも入念にしました。浮腫みはコルセット着用のためにお腹の部分をきつく締めつけているために脚の血液が心臓に戻りにくかったこと、もしかすると、立ち仕事していることも影響しているかもしれないと医師に言われました。
しかし、後でハッキリしますが、座って寝ていたことが一番の原因でした。座ったままでは重力で心臓へ戻るのに力が必要になります。しかし、睡眠中は筋肉運動がないですから足に血液が溜まってしまいました。
病院へ通院して1か月くらい経つと、すべての動作が楽になってきました。医師曰く、ここでコルセットを外してしまう方が多いのだそうです。あと1か月コルセットを着用していると骨がしっかりと出来上がり、その後の心配がなくなるようです。
確かに楽になってくると、この痛くて邪魔で仕方ないコルセットは外したいでしょうね。しかし、ここが我慢のしどころのようですよ。1か月の我慢であと何年も使う身体を不安なく過ごせるわけですから、あともう少し、踏ん張ってください!
このお客様も頑張って着用していました。相変わらず寝ることは苦労されており、座ったり立ったりの繰り返しのままでしたが、医師が許可するまでは着けていました。次回の病院は1か月後になり、コルセットが取れるかどうかの判断を仰ぎます。
病院へ通院してから約1か月半後、夜から朝までやっと横になって寝られることができました。この日の前回、骨折により負担がかかって痛みのある所をしっかり施術して、痛くて辛いながらも歩き方をチェックして修正したかいがありました。
その時に施術後1日半くらいは身体が辛いとお伝えしましたが、結局は2日かかってしまいした。しかしながら、その翌日から痛みがなくなり、さらに次の日の夜から横になって寝られることができたそうです。座って眠ることがなくなったために、浮腫みもかなり減りました。まだ3割くらいは残っていますが、このまま横に寝られる日々が続けばおのずと浮腫みはなくなるでしょう。
その翌週に予約していた病院へ行き、レントゲンで骨折した第2腰椎がどうなっているか確認してもらいました。そうしたら、コルセットを1日外しても良いし、何しても良いと言われたそうです。私も画像を確認しましたが、きちんと骨が復活していました。
それでも咳やクシャミをすると骨が折れることがあるあるから気を付けてと言われ、骨粗鬆症の薬は飲み続けることになりました。
その2日後に来院されましたが、コルセットは着けていらっしゃいました。この日は、忙しくて荷物も多いので着けていたそうです。とても良い判断ですね。こういう使い方をしていると負担が減って早く治ります。うまく使い分けていました。
まだ着替えに時間が掛かっていたのと、ゆっくりと気を付けて右脚に体重を掛けながら座っていたこと、寝がえりもゆっくりされていたことが気になりました。流石にまだ完全ではないようです。
施術を始めると、首、肩、背中の張りがやわらかくなっており、足の浮腫みがスッキリしていました。やはり、座って寝ていたことが浮腫みの原因だと明らかになりましたね。
右の第2腰椎周辺の硬さが残っていました。これは骨折した影響でしょうから仕方がありません。この部分を押してフォローし、施術を終えました。その時、ベッドからスクッと勢いよく立ち上がりました。着替えはまだ時間が掛かっていましたが、座ることも施術前と違い、真っ直ぐに勢いよく座ることができました。
お身体はもう一息ですが、あと2,3回の施術で第2腰椎の周辺の硬さも取れるでしょう。画像も確認しましたし、安心です。
病院の治療が始まってからコルセットが取れるには3か月掛かると医師に言われたそうです。それが2か月弱で済みましたから、施術を続けていたことで1か月縮めることができました。
病院で作っていただくコルセットは市販のものとは違い、かなり固くて動きづらいものです。だからこそ圧迫骨折には良いのですが、着け続けていると痛くてストレスになります。できれば早く取りたいですよね。
それによって身体が張って痛みが強くなったり、違う場所が痛む可能性もあります。そんな時には施術を受けて、この可能性を防ぐことができます。しかも、治る期間が短くなりますから1日でも早く楽になりたい方には病院と併用することが打って付けです。
1977年生まれ。祖父・父・兄が揃って「整体・指圧・マッサージ」の治療院を開設する、いわばこの世界のサラブレッド。学生時代はスポーツ(ゴルフ)に取り組み、大学卒業後、会社員を経てこの世界へ。
2005年独立開業。以来、からだに触れながら、その背景にある生活スタイルやこころのバランスなどにも目を向けた、トータルケアを心がけている。
平成16年 国家資格 あん摩マッサージ指圧師免許取得(第121762号)