この方は、はじめに第7頚椎~第1胸椎、その2,3年後に第4~5頚椎の変形性頚椎症と診断され、もう何年も首がまわらないと私のもとにいらっしゃいました。病院でリハビリを教わっており、今も続けています。ジムへ行って身体を動かしているそうですが、少しは良くなっているものの、今一つ良くなりませんでした。
はじめに、ベッドに座ってお話を聞いていたのですが、私はお客様と向かって右斜め前に立っていました。実はそちらの方(右側)へ向くことができず、私と話すこともかなり辛かったそうです。
見た目もそうですが、触診をしてみると、やはり頚椎の2か所が弱い感触でした。変形性頚椎症ではよく見るケース。この2か所を中心に改善していけば張りも強くなり右を向くことが楽になるでしょう。
施術を始めると筋肉がかなり張っており右側の頚、肩、背中の方が左側よりも張りが強く凝り固まっていました。初めは頚を右に向けることは45度くらいまでしか動かせませんでしたが、施術後は80度くらいまで向けるようになりました。しかし、これは長続きせずにすぐに元に戻るだろうと説明し、いかに長続きさせるにようにするかがテーマですと申し上げました。
毎週1回の施術プランを申し上げてご納得いただけましたが、この方はとてもお忙しく2回目は18日後です。それ以後も次の週もいらっしゃる時もあれば2週間後、あるいは3週間後に来ていただくような形でペースはバラバラでした。それでもなんとか良くなりたいとご来院され、月に2~3回は来ていただくことができました。
どんな形であれ、継続的にいらっしゃったことが結果を大きく左右しました。筋トレでもストレッチでもそうですが、継続することが1番大切です。私がストレッチを宿題に出すときに、「週に1回でも良いから続けてください!ゼロにしなければ効果は期待できます。」と申し上げています。
施術も同じでパッタリと止めてしまえば効果は全く期待できませんが、少しでも続けていれば効果はあります。そこで、来られるときに続けて施術できれば更なる効果を出すことができます。ですから、皆さんにはどんな形でも良いですから続けていただきたいのです。お忙しいことを理由に止めないでください。それが良くなった状態を長続きさせることができる秘訣なのです。
人は疲れが顔に出ます。疲労困憊の顔をしている時は、じっくり押して疲れを出していきます。施術中に寝ていただければ最高です。2~3分でも良いから睡眠を取ってここでひと休みをして欲しいのです。実際は10~20分は寝ていらっしゃいますが、寝起きの身体が重くて辛いときがあります。しかし、その後は重さが取れて仕事に集中できるようになります。
仕事終わりに来られればもっと良いですね。ここでひと眠りをした後にご自宅へ戻って朝までしっかり睡眠を取れば、翌日はバッチリ仕事や遊びができます。本当に疲れている時は、身体の中に溜まっている疲れを出した方が眠れます。私の所で仮眠を取ったとしてもちゃんと眠れますよ。
早朝出社が多く、ちょっと恐々としたようなお顔をされている時はリラックスさせてあげなければいけません。頭を押したり、足の裏を押して気持ちよ~く押すことができれば筋肉はほぐれやすくなります。その後は、いつも通りの施術をすれば首や背中の張りが取れやすくなります。
やわらかい顔をしていればおしゃべりをしながら施術したり、次の施術が3週間後と分かっていれば、翌日や翌々日に疲れが出たとしても時間を掛けて施術していきます。そうすることによって次の施術につなげることができるわけです。
榊城整体院では、お客様の変化に対応しながら施術をしていきます。お客様満足度をあげることで信頼関係を築き、それが主訴の改善にもつながっていきます。
施術から3回目の時には、初めの5分右肩や背中を施術しただけで右を向けるようになっていました。だいたい90度~100度くらい。その後も施術を続けるともっと動くようになりました。しかし、施術前の頚は動きません。右に60~70度くらい。これが毎回続きました。
理由は分かっていました。とても責任ある仕事をしている方ですからたくさんの重いストレスが毎日降りかかってきます。それを抱えてしまっていることが原因。特に会食が多い方々は大変そうです。気を使いながらの食事は疲れます。目上の方や友人の紹介で知らない方との食事くらいしか知らない私ですが、それだけでも気を使って疲れます。仕事上の会食はもっともっと疲れるでしょう。
仕事量が多いことも原因でした。平日は朝から夜までびっしりとスケジュールは埋まっていました。土日のどちらかは出社することも度々でした。時間は平日よりは短かったですが、仕事モードのスイッチを入れるわけですからリラックスはできません。
このような形で施術を続けていくこと約5か月後。「お身体いかがでしょうか?」とお伺いすると腰の張りを感じていると仰いました。肩や背中の張りが薄くなりいつもと違う感じ。むしろ腰の張りの方が強くなっていました。今までと立場逆転です。頚が悪くて肩や背中の張りを感じていましたが、頚が良くなってきて腰に張りを感じるようになったのですね。
このように、主訴としていた部分が気にならなくなったのは良くなったサインです。事実、その3週間後も頚より腰の張りを感じていました。施術前に頚を右に動かしていただくと110度くらい動きました。もうこれで大丈夫ですね。
これからは頚が動かない心配はありません。よっぽど負担を掛ければこういった症状や頚痛など起こり得ますが、今まで通りの生活であれば問題ありません。ゴルフやテニスをしたり、趣味に勤しんでも大丈夫です。
変形性頚椎症が2か所あって何年もトラブルを抱えてもきちんとした対処をすれば良くなります。変形性頚椎症でお困りの皆さん、良い専門家を見つけてご相談ください。
1977年生まれ。祖父・父・兄が揃って「整体・指圧・マッサージ」の治療院を開設する、いわばこの世界のサラブレッド。学生時代はスポーツ(ゴルフ)に取り組み、大学卒業後、会社員を経てこの世界へ。
2005年独立開業。以来、からだに触れながら、その背景にある生活スタイルやこころのバランスなどにも目を向けた、トータルケアを心がけている。
平成16年 国家資格 あん摩マッサージ指圧師免許取得(第121762号)