榊城整体院

四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)になったらこれを見て!一工夫の対処で早く改善しよう

五十肩を施術することが結構あります。そのお客様の周りにも五十肩経験者がかなりいて、この疾患に苦しんでいる方の多さに驚くばかりです。

 

肩ではなく腕が痛い!だから着替えなど普段の生活にも一工夫

40代から50代にかけてこの疾患にかかる方が多いため、総称として四十肩・五十肩と言われますが、肩関節周囲炎といいます。30代以下でも60代以上でもかかります。

 

症状は、

  • 肩や腕が痛い。
  • 腕が上がらない。
  • 腕は上がるが上腕部(肩から腕にかけて)が痛い。
  • 手を腰や背中など後ろに回せなくなり、髪をとかせない、結えない。
  • シャンプーするのが大変。
  • ファスナーが下せないなど服を着るのに苦労することがある。
  • 睡眠中の痛みで目覚める

経験しないと分からないものですが、症状が強いと着替えるのにかなり時間が掛かります。この時にお勧めの服は前開きのボタンやファスナーの洋服です。これなら、痛い方の腕から袖に入れれば脱ぎ着が楽ですね。まあ、それでも痛いこともありますが楽なことは間違いありません。

 

寝るときは、痛い肩を下にすることが出来ません。就寝中、痛い肩を上にしても仰向けになっても痛くて目が覚めます。目が覚める回数と痛みの強さは比例します。

 

身体はどんな状態かというと頸・肩・背中・胸・上腕などの肩甲骨回りの筋肉が硬くなっています。

医学的には肩関節周囲炎といって日本整形外科学会のサイトでは

https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/frozen_shoulder.html

「関節を構成する骨、軟骨、靱帯や腱などが老化して肩関節の周囲に組織に炎症が起きることが主な原因と考えられています。肩関節の動きをよくする袋(肩峰下滑液包)や関節を包む袋(関節包)が癒着するとさらに動きが悪くなります(拘縮または凍結肩)」。

 

要するに加齢や老化が原因じゃないかと言われていますが、本当の所、よく分かっていません。原因不明です。そのまま放っておいても自然に治りますが、中度や重度の場合は治っても関節が癒着して可動域が狭いままになることがあります。

 

五十肩はストレスで超悪化!

筋肉が硬いのはもちろんですが、超重度の特徴はストレスが強いことも原因の一つです。身体的疲れと精神的疲れが混ざると厄介です。これは五十肩に留まらず、どの疾患でも同じで症状を重くして改善する期間が長くなります。

 

どんなことかといえば、仕事や家庭のストレス。ポジションの高い方は重めのストレスに晒されていますから気を付けなければいけません。他には、

  • 出張が多い。時差がある出張。
  • 親子関係や夫婦関係、職場などの人間関係。
  • 人がなくなる、看病・介護をしている。
  • 仕事量が多い。睡眠時間が少ない。休みが少ない。
  • 交通事故。
  • 通勤でイライラ。

例を挙げればきりがないですが、色々なことがあります。どれも当てはまりそうですが、特に強いものがあればそれが原因かもしれません。

 

急性期には痛み止めを上手に使い安静に

肩関節周囲炎は急性期と慢性期、回復期があって、急性期はとにかく痛いです。そのため、急性期は安静が大事で病院に行って、痛み止めなど処方してもらうのが良いでしょう。五十肩と似ている病気もありますので診断してもらえると安心です。

 

慢性期は痛みが少し落ち着きますので腕を動かせます。動かした時に可動域(動かせる範囲)が狭いことに気づくはずです。ただ、この時期から運動を始めるのが良いとされていますので痛みと相談しながら動かしていくのが良いですね。

 

最後に回復期です。段々と痛みが少なくなり可動域も増していきます。それでも、症状が強い方は完治する時間がかかり、癒着が残り可動域が戻らないこともあります。

 

整体の施術は急性期からできます。ですがまず病院で診断してもらい薬や湿布を処方してもらうことが大事です。痛みを何とかしないといけませんからね。

 

お医者さんの判断を仰ぐことが大前提ですが、痛み止めを飲んでも痛みが変わらないことが多々あります。それでも、飲み続けることが必要だと思いますし、薬を変えてもらう相談をしても良いと思います。

 

薬では治せない「正しい筋肉の動き」には整体でアプローチ

そもそもこの疾患の特徴は肩甲骨の動きがとても悪くなります。背中が丸くなり、ストレートネックになることも多く、さらに肩甲骨周囲の筋肉が硬いため、正規のルートで腕が上がりません。正規のルートでない上がり方というのは、肩甲骨・鎖骨・上腕骨の連動がうまくいかず、窮屈になって腕を上げていきます。動きが悪いうえ、痛みを伴うので前から上げる方が楽です。身体の横からそのまま横方向へ上げるよりも、前の方から上げると高く上がります。

 

では腕を上げるにはどの筋肉が動いているのでしょうか?

棘上筋の働きによって腕を動かし始めます。次に三角筋で、およそ水平位(90度)まで上がります。今度は僧帽筋と前鋸筋によって、斜め上まで上がり、ここから垂直位まで上げるには三角筋、僧帽筋、前鋸筋、さらに腕とは反対側の脊柱起立筋の力が必要です。

 

意外といろいろな筋肉が動いてますよね。肩甲骨回りや腕だけでなく腰の筋肉まで動いているのです。つまり、そこまで動きを確認しなければいけません。身体というのはつながっていますのでたくさんの筋肉が連動して機能します。

 

筋肉の動きを正規のルートに戻してあげることは、薬では残念ながら不可能です。そこで整体やマッサージなどでこの筋肉の動きを整えてあげる必要があります。五十肩・四十肩という名前に惑わされて、ついつい肩を重点的に診てしまいがちですし、痛いご本人も肩に意識が集中してしまうのですが、実際には腰の筋肉を押すと張っています。肩の疾患だからと言って肩周りばかり診ていては治らないこともあるので注意が必要です。肩に湿布を貼っていても、街のリラク施設で肩の揉みほぐしをしても全然よくならないのはこのためです。

 

「痛みがあるときに整体などを受けて大丈夫か?」といった疑問もあるかと思いますが、榊城整体院では、その時の状態に合わせて施術していきますので急性期も慢性期、回復期も関係ありません。

 

ただ、早めに施術した方が治りも早く、仕上がりも良いため最低でも慢性期から施術したいところです。

施術期間はさまざまです。あくまでも目安ですが、軽度は2,3回で。中度は2,3か月。重度は半年~1年、超重度は1年~1年半くらいで良くなるでしょうか。

 

痛くなければ毎日5分の運動とお風呂で温めてあげる

榊城整体院に五十肩・四十肩でご相談に来られた方には、施術の他に効果的な運動方法をお伝えしています。

「急性期には痛み止めを上手に使い安静に」のところでも書きましたが、慢性期になったら動かすことが良いとされています。慢性期っていつ??って思うかもしれませんので痛みが少なく動かせようになったらで良いと思います。

 

その中で、痛みがないように動かしてほしいです。無理して痛みを出して動かすことはしないでください。痛みが強くなります。ただ、動かさないで放っておくと、可動域が小さいままで固まったり、筋力低下につながりますから動かしてくださいね。

 

初めは痛みが出ないところで動かします。少し動かせるようになってから、少しの痛みを我慢しながら動かしていきます。

 

少しの痛みですよ。

 

また少し動かせるようになったら範囲を広げていきます。これを繰り返して凝り固まった筋肉、腱、靭帯をほぐしていきます。この作業が地味で痛みを伴いますから結構、凹みます。泣きます。が、続けるしかないのです…。

 

どんな体操が良いでしょうかねえ。腕が少し上がるなら、痛くない範囲で前から上げてください。それを繰り返すことも良いですし。肘を曲げて肩を後ろにぐるぐると動かすことも良いです。痛みなく、首・肩・腕・背中の体操ができるなら、どれでも良いと思います。

 

状態によって、やりやすい・やりにくい体操がありますから、やりやすい体操を選んでくださいね。もし、どの体操もやれない、やる気が起きなければ上腕と脇の下だけでもマッサージしておいてください。毎日5分ずつくらい軽めに気持ち良くです。続ければ、それだけでも楽になります。

 

続けましょうね。

 

続けることが滅茶苦茶大変です。施術を受けに来るのも体操を続けるのも「継続は力なりです!」。そうすれば楽になります。

 

他には、温めると楽になりますので、お風呂でよく温まったりシャワーをかけることも良いと思います。

 

病院と整体を上手に使い、肩の痛みのない生活を

病院で治療を続け、体操していけば筋肉は柔らくなり痛みが減って肩が上がっていくはずです。ここでの頑張りで改善速度が変わっていきます。もし、体操しなければ痛んでいる肩や腕の筋力が落ちていきます。そのために腕が細くなることもあります。こうなってしまうと、治りは遅くなってしまいます。実際、私のお客様の中でもあまり体操しない方は時間が掛かりました。

 

それでも、施術を続けることによって改善していきました。病院ではできないこと、自分一人でできないこともあるものです。私がお手伝いすることにより改善速度や度合いが変わります。特に、重度の方はそうするべきだと考えています。

 

自然治癒する疾患といわれる五十肩ですが、少しでも早く痛みを改善したい。痛みの強さを改善したい。肩の可動域を拡げたいと考えていらっしゃるのなら、視野を広げて色々なことを試してください。きっと、ご自分に合った方法があって、自分で見つけたり、人に教えてもらったりと改善するヒントが転がっていると思います。

 

肩を気にしない生活、快適ですよ。

整体の知識や施術例、身体とこころに関することをブログに書いています

榊城整体院院長 榊 城 Sakaki Jo

1977年生まれ。祖父・父・兄が揃って「整体・指圧・マッサージ」の治療院を開設する、いわばこの世界のサラブレッド。学生時代はスポーツ(ゴルフ)に取り組み、大学卒業後、会社員を経てこの世界へ。

2005年独立開業。以来、からだに触れながら、その背景にある生活スタイルやこころのバランスなどにも目を向けた、トータルケアを心がけている。

平成16年 国家資格 あん摩マッサージ指圧師免許取得(第121762号)