私の施術を受ける前に5つの病院へ通った側弯症の女性がいらっしゃいました4つの病院では手術しか選択肢がないと言われ、1つの病院ではリスクが高いと言われて手術をしたくないと言われたそうです。
以前からご主人には背が小さくなったなと言われていたそうです。それに加えて姿勢が悪くなり身体が曲がってきたことを自覚して病院へ行くことにしましたが、この時点では痛みがあまりなく深刻に考えていなかったそうです。この時、70代半ばでした。
ご主人が老人内科に通っていた大学病院の整形外科で診察を受けたところ、手術ですと言われました。しかも、チームを組んで行う大手術ですよと言われたそうです。
しかし、手術は嫌で断ることにしました。その後は、同大学病院の老人内科で痛み止めやモーラステープ(湿布)を処方されていたそうです。
次に向かったのは御茶ノ水にある病院です。そこの医師が東大出身ということもあり、手術するのなら東大病院で手術する必要があると言われました。しかし、手術は嫌なのでコルセットを作ってもらうことになりましたが、装具と言われるものではなくやわらかい布のようなコルセットを作ってもらうことになりました。
そこでも状況は変わらないのでリハビリをする必要があるのではないかと考えてリハビリをしてくれる病院へ行き、まずは整形外科で受診されました。やはり答えは同じ。リハビリはあまり効果がなく止めてしまいました。
今度はお嬢さんの勧めがあり側弯症で有名な病院へ行かれました。手術と言われましたが断ったので、ここでは装具と言われる型を取って作る硬いコルセットを作ってもらいました。しかし、このコルセットは装着していると痛くて、毎日は身に着けられなかったようです。コルセットで洋服が膨らむことも、身に着けることを遠ざけてしまった要因でした。手術できず、コルセットをつけられないとなると病院としてはお手上げのようです。
次はご子息の勧めで医師が鍼を使って治療する整形外科の病院です。ご子息の膝痛が治ったということで、行ってみることにしました。実際、鍼を受けるとスッと立てるようになるんだそうです。そのまま気分良く駅まで2~3分歩くと元に戻って悪くなってしまいました。1年以上通ってみたのですが、この現象は変わりませんでした。
この間、トラムセットやハイペンなどの痛み止め。モーラステープを処方されていましたが、効果を感じることはあまりなかったそうです。
初めて病院で診察してもらってから約3年経ったある日、お葬式で会った友人に腰やお尻、大腿部が痛いという話をしていたら、良いところがあると私の所へ連れてこられ、そこから4年以上となる長い施術が始まりました。
痛みは先ほど申し上げた腰・お尻・大腿部の痛みです。特に起床時が痛み強く、顔を洗うことも大変でした。歩くことがあまりできません。しかも、軽いものでも持って歩くとすぐに痛みを感じて休んでしまうくらいでした。傘をさすと腰に痛みが出てくるので雨の日は外出しないようにしていました。
初めは順調で、身体が楽になったり歩くスピードが速くなったりしました。歌舞伎を見に行ったり宇都宮へ旅行したりと外出することが楽になりました。身体が楽になって意欲もでてきました。「フラダンスをしたい!」と仰るくらいでした。
家族旅行も自信がなく断っていましたが、熱海まで行ってたくさん歩くこともできるようになりました。施術を始めて3か月半くらいです。
主訴だけでなく膝に痛みが出たこともありますが、週に2回の体操はなるべく続けていましたし、施術を始めて1年3か月後には1万歩も歩くことができるようになった上、歩いた後に辛くなりませんでした。
なんとグアムまで海外旅行をした後に箱根まで旅行してきました。しかし、順調に過ごしていたのに施術を始めて1年半くらいから流れが変わります。起床時の痛みが強くなることが多くなり、続くようになってしまいました。15分の歩行を1日に2回あった翌日には腰痛が強くなったり、歩くことが辛くなる日もありました。編み物をしたら腰痛が強くなりました。
そこで、以前作っていただいた柔らかいコルセットをつけてもらい、体操を無理してやらないように工夫し、場合によっては休んでいただくようにしました。
痛みは続いていましたが、旅行はしていましたし普段の生活もあまり変わらなく過ごしていました。
施術を始めてから2年8か月。ついにお休みしますという連絡が入りました。それもそうでしょう。痛みを感じる日が多くなり痛みの度合いも強くなってから1年以上経っても変わらなかったのですから当然です。
少し前から通っていた、TVにも出演し、雑誌にも顔を出されている医師が務めている病院に専念することにしました。この病院は初診を受けるだけでも2か月待ちで、手で仙腸関節を調整することで痛みをなくそうというお考えなのだとか。
通院して仙腸関節を調整して後は絶対安静。運動をしてはいけないそうです。それから保険が効かない漢方を処方されるようです。院長が施術をしてくれるのは3か月に1回。あとは若手の人がやって下さるシステム。院長に施術してもらったのは3~4回だったそうで、1年は通っていたそうです。
絶対安静ですから歩いても駄目だと言われました。そこで日に日に足が弱っていくことを感じたそうです。痛みは変わらず足が弱っていくことに不安を覚えたこの女性は、また通いたいというご連絡を私にいただき、再通院することになりました。通院してなかった期間は約5か月半でした。
病院へ行く以外は外出をされていませんでしたので、通っていた体操を再開していただき、なるべく外出するようお願いしました。しかし、いきなり全てをこなすと疲れて痛みも出てしまいますから、できる範囲で少しずつ増やしました。
施術をすると、仙腸関節はあまり良い状態とは言えませんでした。どんなに良い治療をしても、外出して筋肉を使わないと弱ってしまいます。その筋肉が骨を支えられずに関節が良い位置に納まらないわけですから骨盤は良い状態ではありませんでした。
私の経験上、1ヶ所を治して万々歳ということはありません。軽い症状のものであれば可能かもしれませんが、このように大変苦労されている方は複数個所を修正・調整する必要があります。それでやっと良くなるかどうかという難しいケースです。
体操やデパートへの買い物、家族との食事を通じて外出をしていただき、施術は2週間に1回というペースを続けていくと、脚の弱さを感じることがなくなりました。痛みはありますが、強い痛みになることは少なくなり普段の生活で辛くてどうしようもないことはなくなりました。
しかし、痛みが消えることはなかったので、大阪から東京の病院へ通う友人からその病院へ通う事を勧められました。その病院の医師も有名人のようで本を多数出版して、自分のビルを建てるくらいご活躍されているそうです。
その病院は手術をしない主義にもかかわらず、手術を勧められましたが断りました。コルセットはもう作れない状態だと言われたそうです。現在進行中ですが、リハビリと薬の処方で凌いでいらっしゃいます。
2週間に1回私の施術を受けて、病院も通っているこの女性は劇的に良くなっているわけではありませんが、なんとか普段の生活を送ることができています。体操してお友達とお茶をして楽しい会話をすることができます。家族と買い物をしたり外食をしたり旅行することもできています。
毎日、痛みを感じることはありますが、我慢できないようなことはありません。どの病院でも手術が必須と言われ、今やコルセットを作ることもできないようなお身体にもかかわらずです。
これはずっとお身体を手入れしているからです。長い期間、手入れすることによって痛みの原因の悪化を防ぐことができます。側弯症の手術ができない、手術をしたくない、などのお悩みでどうすれば良いかわからず困っている方はいらっしゃると思います。
そのような方は病院と併用して施術を受けることも考えてください。2つの良い部分を取り入れれば、今や80代となったこの女性のように自立したまま普段の生活ができる可能性って拡がると思いますので、是非、諦めずに挑戦してください。
1977年生まれ。祖父・父・兄が揃って「整体・指圧・マッサージ」の治療院を開設する、いわばこの世界のサラブレッド。学生時代はスポーツ(ゴルフ)に取り組み、大学卒業後、会社員を経てこの世界へ。
2005年独立開業。以来、からだに触れながら、その背景にある生活スタイルやこころのバランスなどにも目を向けた、トータルケアを心がけている。
平成16年 国家資格 あん摩マッサージ指圧師免許取得(第121762号)