榊城整体院

車のバックで困った!急に首が回らなくなった70代男性の施術例

いつも腰が痛くなると施術していたこの方ですが、今回は首が回らなくなり来院されました。はじまりは車のバックをしようと後ろを向いたときに左首痛になりました。少しは良くなってきたそうですが、大事を取っていらっしゃいました。

 

狭いベッドで斜めに寝たことが痛みを増す決定打に

来院された2~3週間前、車のバック時に左首が痛くなり首の可動域が狭くなりました。そして、来院1週間くらい前に狭いベッドで寝たために更に痛みが増して首の動きも悪くなりました。

 

この男性は年がら年中忙しい方です。1~2か月前から忙しさが増して、来院された月も忙しさは続いているようでした。つまり、普段から忙しさで筋肉が張っていたこの方は、さらなる忙しさで身体が硬くなり、車のバックの時に不意に動かして首を痛めました。

 

痛みは少し和らいだものの、忙しさで改善する暇がなくあまり良くならないまま過ごしていました。そんな時にご旅行先のベッドが狭く仕方なく斜め上を向いて寝ました。この方は身体がやや大きめの男性です。狭いベッドがこの方にはより狭い状況でした。

 

両膝を曲げて全身を斜め上を向いて寝てみてください。首や身体に負担がかかるのが分かりますでしょうか?しかも首を痛めています。それでは首が更に痛くなるのはうなずけます。ベッドが狭いから寝返りも当然うてません。身体は固まってしまいますよね。

 

首の土台である背中を緩めよう

1回目。首を左に動か(回旋)していただくと45度くらいしか向けません。右の方が動きますが、60度くらいであまり良くありませんでした。首を押してみると首の前側の筋肉(前頚部)に圧痛がありました。左側の首や背中~腰の方が張りがあり、右はそこまで悪い感じではありませんでした。左の首よりむしろ背中の張りが強いため、背中に時間を掛けて施術いたしましたが、圧痛もありました。

 

もともと背中や腰が硬い方です。腰は調子が良いと仰るだけあってそこまで硬くありませんでしたが、背中はいつも以上に硬く悪い状態でした。それで首が痛くなったのですね。

 

施術が終わり、首を左に動かしてみると60~70度くらい回旋できるようになりましたがまだまだです。しかし、1~2日経つともう少し動くようになるのではないかと申し上げました。私の施術は、2~3日時間を掛けて身体になじんでいき、身体の状態がもっと良くなるものだからです。もし、それでも60~70度しか動かないのならばちょっと重い状態であると判断します。

 

次回はそれによって施術の仕方を変えていきます。

 

首が痛くなったけど背中が緩んでいるから大丈夫。良くなっています

1週間後の2回目。けげんな顔をしておられるので「どんなお具合ですか?」と質問すると、施術2日後までは良かったんだけど、3日後は休みにも関わらず仕事。その翌日は法事などで過ごしていたらまた痛くなってしまったようです。しかし、調子が良かったためにお休みの日に仕事をしてしまったと仰っていましたからついつい動かしてしまったようですね。施術当日には早朝散歩をしたことにより首が楽になったそうです。

 

前回、一生懸命施術した背中を押してみると、とても良い張りになっていました。つまりこういうことです。身体は良くなってきたものの、ちょっと無理をしてしまったためにまだ落ち着いてなかった首に負担がかかり痛めてしまった。ただ、身体は順調に良くなっており、このまま施術を続けていけば痛みは消えていくだろうということです。

 

首を動かしていただくと左に40度くらい、右に60度くらいで前回より動きが悪くなっています。痛みがあっただけのことはあるようです。前頚下部と側頚下部を押してみると痛みがありました。今回はもみほぐすだけでなく整骨も入れながらの施術です。前回と違い、身体の張りがやわらかくなってきて施術がしやすくなったこともあり、全身の施術で身体を整えていきました。施術が終わり、首を動かしていただくとあまり変わりがありませんでした。少しお時間を頂戴し、もう少し施術をしてみたところ、左に50度、右に80度です。右は変わりましたが左はほぼ変わりません。

 

それでも首の痛みがほぼなくなり楽になったことを感じていただきました。このままでも体操しながら過ごしていただければ良くなっていくので終わりにすることができます。しかし、首が埋まっている感じがあるため首を緩めて伸ばすともっと良くなりますとお伝えすると、「自分も埋まっている感じがあるし、奥様にも言われているし良くしたい。」と仰ったので、もう1回施術をすることになりました。

 

予想外の身体。まともに施術せず状況に合わせた施術をすれば改善していくもの

さて、1週間後の3回目。前日からアレルギーで喘息になり背中が張っていました。それに加え、無呼吸症候群の対策としてマスクを着けて寝ているそう。お話を聞いてみると、恐らくCPAPという治療だと思います。これは寝辛そうなマスクです。ご本人も慣れないらしく、医師に聞いたら2~3か月かかってやっと慣れるそうです。それらが背中を硬くしてしまった原因でしょう。

 

今回は本当に硬いです。まさかの硬さです。圧痛が弱くなったり無くなっていると予想していた前頚下部と側頚下部は相変わらず圧痛がありました。しかし、首が硬く圧痛が変わらない理由は分かっていますし、こんな時にはまともに施術しても仕方がありませんので腕をよく回したり動かしたりして背中を緩めていきました。首も腰も硬く整骨するのが難しい状態。背中を整骨するのがやっとの所でした。

 

初めに首を動かしていただくと、左に60度、右に80度。施術後は左に60度、右は85度。あまり変わりませんでしたが、今回は仕方がありません。施術後の結果を求めず4~5日経ってから良くなるようなイメージの施術。しかし、痛みはほぼなくなっており、これで応急処置はおしまいです。

 

首の施術は終了。次は正座ができるようになる施術へ

ただ、無呼吸症候群対策のマスクを続けること、仕事が忙しく気疲れするような内容が増えていることに加えて首が埋まっていることを解消、正座ができないことを改善するためにご本人も私も施術を続けた方が良いと判断し、首を再度痛めないためだけでなく身体を良くするために続けることにしました。身体全体が良くなれば首の可動域も増えていくでしょう。もちろん、そのためにウォーキングや体操をお願いしました。

 

私の施術だけでなく日々の生活が重要ですから、首の埋まり解消と正座ができるようになるスピードが速くなります。これらはすぐに治りません。時間を掛けてじっくり改善していくものです。

 

3回目から1週間後。首を動かしていただくと、左が80度、右が90度向けるようになりました。前回とは違って動きがあり、施術に入ると左首と背中がとてもやわらかくなっていました。右側の首~腰の張りはありましたが、前回よりは良い状態。右前・側頸下部だけでなくあらゆる場所の圧痛が少なくなっていて、押されることに余裕が出てきました。

 

喘息が落ち着き、マスクも慣れてくるでしょうから首は大丈夫でしょう。埋まっていた首が少し伸びてきましたし、よっぽどのことがない限り、痛みません。これからも施術は続きますが、首というよりは正座の解消に挑みます。

 

整体の知識や施術例、身体とこころに関することをブログに書いています

榊城整体院院長 榊 城 Sakaki Jo

1977年生まれ。祖父・父・兄が揃って「整体・指圧・マッサージ」の治療院を開設する、いわばこの世界のサラブレッド。学生時代はスポーツ(ゴルフ)に取り組み、大学卒業後、会社員を経てこの世界へ。

2005年独立開業。以来、からだに触れながら、その背景にある生活スタイルやこころのバランスなどにも目を向けた、トータルケアを心がけている。

平成16年 国家資格 あん摩マッサージ指圧師免許取得(第121762号)