榊城整体院

骨盤矯正は痩せる?眉唾の真相と自己チェック法

姿勢が良い方は男性でも女性でも素敵ですよね。普段スーツを着ることがない私は、姿勢が良くスーツをきれいに着こなしている男性は格好良いなと思います。筋肉の張りを整え、骨盤矯正をしてきれいな姿勢になりませんか。

 

その前に私の経験上、巷では骨盤矯正がダイエットに効果的と評判になっていますが、これは専門家の立場からすると、少々的外れな見解だなと言わざるを得ません。

 

骨盤矯正でカロリーや脂肪が減るかどうか


私はダイエットしたいのなら食事療法と運動療法の同時並行をお勧めします。ダイエットは足し算引き算の世界です。

 

摂取カロリー(食べた分)-消費カロリー(基礎代謝と運動した分)=消費カロリーが多ければ痩せます。

 

これだけです。そこに食べ物の摂取の仕方や運動の仕方を工夫させてマイナスを多くすればするほど痩せるわけです。

 

そんなところに骨盤矯正して痩せることに非常に疑問があります。確かに骨盤矯正することができます。姿勢が良くなり内臓の位置も変わるかもしれません。私は側弯症の方や腰椎すべり症など骨のトラブルを抱える方々の施術をしますので骨の位置が変わることは分かります。しかし、痛みが改善した方で痩せた方をみたことがありません。

 

もちろん筋肉の張りが悪い場合、背中や腰、大腿部など張っている筋肉は大きくなり、筋肉をやわらかくすると小さくなるためスッキリします。それによって背中回りや太もも回りが細くなることはよくあります。しかし、それはもともと持っていた筋肉の本当の大きさに戻っただけであって痩せるとは違うと思います。

 

骨も同じでもともとあった場所に戻すことは出来ますが、それ以上に小さくすることは私にはできません。内臓はどうでしょう。確かに良い位置に入った内臓の動きは良くなると思います。しかし、それで痩せるのでしょうか?カロリーや脂肪が減るのでしょうか?やはりその後の食事や運動が大事だと思います。残念ですがそれしかないのです。

 

骨盤矯正をして筋肉や骨、内臓を整えた上で食事をすると胃腸の働きが良くなりたくさんの種類の食材を摂れることでバランスの良い食事、運動すれば痛みのないバランスの良い身体で運動量が増して消費カロリーが増えるでしょう。そうすることで痩せやすい身体を作ることはできますが、残念ながら痩せません。

 

運動と食事のバランスを考えてダイエットをしてください。

筋肉の質が良くなれば骨の位置も変わってくる


しかし、骨盤矯正によりきれいな姿勢を作ることができます。街で歩いているお年寄りのように背中が90度くらい曲がってしまっていたり、膝が曲がったまま骨が固まりきった状態になってしまうと難しいのですが、筋肉の状態を良くしてあげると骨の位置が正しい位置に戻ってきます。

 

背骨・骨盤・股関節・肘や膝など筋肉の状態が悪くなったことが原因となって骨の位置が動いたものならば元に戻ってきます。骨は問題なく筋肉だけが原因で姿勢が悪いのならばそんなに時間がかからずきれいな姿勢は作れるでしょう。骨まで動いてくると少し時間がかかるかもしれません。それだけ筋肉に負担がかかり骨を引っ張りこんでいるからこそ動くわけですから質の良い筋肉にするにはそれなりの時間がかかります。

 

しかし、変形性関節症・側弯症・脊柱管狭窄症・腰椎すべり症・腰椎分離症・先天性のO脚やX脚などの状況を抱えている方は別です。その疾患を抱えているから姿勢が良くないのであって根本を治さないといけないわけですから簡単にはいきません。

 

できれば病院へ行き、状況を詳しく診てもらってからが良いでしょう。そうすればきれいな姿勢のお手伝いがしやすくなります。

骨盤は家でいうと土台である基礎部分


腰は「にくづき」に「かなめ」と書くくらい重要な部分です。立っている時に1番負荷がかかる場所が第4腰椎~第1仙椎といわれています。仙椎というのは仙骨の1番上の部分です。1番から5番まで合わせて仙骨と呼びます。骨盤を作っている骨である仙骨です。ここに負担がかかるわけですからしっかりと受け止める形を作らないといけません。歪んでたらきちんと受け止められずどこかが負担を請け負わなければいけなくなります。

 

骨盤は頭から腰までの土台だと思ってください。家でいうと頭が屋根で骨盤が基礎部分です。土台が斜めになっていたり弱かったら家が崩れてしまいますよね。ですからしっかりと受け止める状況を作らなければなりません。

 

そして骨盤と大腿骨で股関節を作っています。骨盤の歪みで足の長さが変わったり股関節、膝などの痛みを起こすことがあります。仙骨から下肢の筋肉を支配する神経が出ていますから痛みやしびれに関係があります。脚のどこかが悪いと骨盤が崩れることもあります。

 

そのようなことから、姿勢をきれいに保つには骨盤矯正は大事です。骨盤を正しい位置に置くためには腸腰筋、大殿筋、中殿筋など骨盤周りの筋肉の質を良くすることです。理由は前項で述べてある通りです。

床や硬めのベッドを使って姿勢チェック


まずは簡単ではありますが、姿勢をチェックしてみましょう。床に仰向けになってください。

 

まずは上半身です。肩が床につかずに浮いていることがあります。これは前側の筋肉(前頚部、胸、上腕部)が硬く縮こまっています。背中の丸みが強い方は頭を床につけたときに頭頂部に近いところが床にあたり上を向いた状態になります。さらに丸い方は頭が床につかず枕がないと痛みます。

 

今度は腰です。骨盤の上に腰が反っている部分があります。そこに手をパーにして入るかどうかくらいがちょうど良い空間です。全く入らない場合は腰が丸まっており、手をグーにした状態でも入ってしまった場合は腰が反っています。

 

腰が丸まっている場合は、太ももの裏が床につかずに浮いていることがあります。膝の裏まで浮いている方は腰の丸みが強く、太ももの張りが強い方です。

 

膝の位置やつま先の位置もみてみましょう。膝はお皿が真上を向いていることが理想です。つま先は真上というよりやや外側を向いていることが望ましいです。

 

全身をみてみると、頭からつま先まで真っすぐ寝ていなかったり捻りが入って胸や腰の向きが天井を向いてない場合があれば歪んでいます。

肩が床につかない場合はじっくり直そう


やはり背中が曲がっていると格好良くはありません。背中の筋肉を柔らかくして良い姿勢を保つにはある程度の筋肉量が必要になります。そしてその上にのっている頭や首の位置が大事になります。頭や首の土台である背中を質の良い状態にして頭や首を良い位置にのせてあげることできれいな姿勢の一歩になります。

 

首や肩、背中の筋肉の張り、そして肩甲骨の位置も確認します。指圧・マッサージ・整骨をしていくことによって筋肉の良い状態をつくり頭から背中までのきれいなラインを作っていきます。

 

ちょっと厄介なのが床に仰向けになったときに肩が床につかずに浮いてしまっている方です。前側の筋肉の張りが強く縮こまり、後ろの筋肉が弱っています。このような場合は、姿勢を矯正するのに時間がかかります。前側の首や胸の筋肉を緩めないといけません。上腕も緩め、突っ張っている背中を調整します。前後(胸や背中)の筋肉が整って初めてきれいな姿勢になることができます。背中が伸びてきれいな首から背中のラインが出来上がります。

 

体操は前の筋肉(前頚部、胸、腕)の筋肉をストレッチして伸ばします。この時はストレッチポール(スタンダードのもの)を使っていただくことがとてもおすすめです。両膝を曲げおしりから頭まで乗せていただいて5分ほど寝るだけです。丸みを使って左右に揺らすと気持ち良いですよ。肩の部分は何もないので重力で前側が伸ばされます。肩の丸みが強い方は伸ばされる感覚がないと思いますので、力を抜くことを意識してください。

 

ストレッチポールがなければ頭からお尻まで座布団やクッション、バスタオルなどを使って並べて下されば、ストレッチポールよりも高さがありませんが代用できます。

骨盤矯正。中殿筋を緩めてきれいな姿勢に


次に腰へまいりましょう。まずは腰とおしり(臀筋)の状態を確認します。臀筋は単一筋としては身体の中で一番大きい筋肉でアメリカのステーキのような分厚さがあります。その筋肉が硬くなったり筋肉が小さくなったりすると影響力も大きく骨盤にとっても大事な筋肉ですね。

 

骨盤が丸まっていたり、反っている場合は腰やおしり、大腿部のどこかが張っていますので緩めていきます。腰とおしり、腰と大腿の裏側などいろいろなケースがありますからそれに合わせて指圧・マッサージ・整骨をしていきます。

 

腰の捻り具合もみながら左右のバランスの調整も入れます。腰やおしり、大腿部の左右の張り方が違っているはずですから時間のかけ方も変えていきます。おしりの横の部分の中殿筋と呼ばれる筋肉は姿勢維持にとって非常に大事な筋肉ですから張っていることが多く押されると痛いことがあります。この筋肉の調整をすることによって腸骨と呼ばれる左右の骨盤の高さを整え左右均等に揃えます。

 

腰は普段丸まっていますから反らします。硬い床やベッドの上に仰向けになり、腰の下にバスタオルを8つ折りにしたものを1つか2つ置いてください。この時に膝を立ててから寝たり起き上がったりしてください。背骨は腰を反らす構造になっていませんから腰を反らしたまま動いてしまうと腰痛になることがあります。

 

それから体操して痛みがあったり終わった後に痛みや重い感じ、翌日の腰の調子が悪ければ体操は中止してください。

股関節に膝やつま先がO脚やX脚の改善や予防に


股関節も忘れてはいけません。骨盤と関節を作るわけですから骨盤矯正にも欠かせません。股関節の影響で腰痛、膝やつま先の向きが変わることもありますから、股関節周りの筋肉もしっかりと緩めましょう。簡単な体操は股関節を内・外回しで円を描くように回すこと。意外とうまく回せないことが多く、ロボットのようにカクッカクッと丸ではなく四角形を描いてしまうなんてことがあるんですよ。

 

膝のお皿が内側を向いていたり外側を向くこともあります。片脚だけのこともあれば両脚同じ方向や反対方向を向いていることもあります。

 

大腿部の筋肉はとても大事です。膝が痛い時は太ももの前側の筋肉を鍛えなさいと言われることが第一です。私の場合は鍛えるよりほぐすことを第一としていますが、重要視している点では同じです。それに加えて後ろ側や内側・外側もみていかなければなりません。膝周りに痛みがないかチェックします。お皿の下にある膝蓋靭帯という所を押すと痛みを感じることが多いですから太ももの前側とともに緩ませます。

 

膝裏も大事で、街中の女性に多いのですが、膝裏が腫れて膨らんでいる方をお見かけします。疾患を抱えていたり、炎症したりしていて膝裏が硬く太ももの裏やふくらはぎが張っているのですね。押すと硬さや圧痛がありますから慎重に緩めていきます。

 

つま先の場合は、足首の状態と膝~足首までの筋肉や足裏の筋肉の状態を確認します。脛の部分やふくらはぎ、足裏の筋肉が張っていれば緩ませ、足首の可動域があるかどうかをみながら骨の配列もチェックします。股関節や膝が原因の場合は別ですが、これが整えばつま先の向きが変わるでしょう。

 

X脚やO脚で気になる方にとっても非常に重要な部分です。腰の施術必要なこともありますが、きれいな脚を作ることができます。

これでスーツをきれいに着こなせる

以上、すべてを整えていけばきれいな姿勢になることができます。すべてを施術する必要はないはずですが、1か所だけで済むということはないと思います。身体はつながって連動して動いているわけですからどこかに不都合があれば他がカバーして更なる負担を起こします。ですから全体を見る必要があるのです。

 

冒頭の繰り返しにはなりますが骨盤矯正で脂肪が消えて痩せる訳ではありません。ですが、正しい姿勢の為に骨盤を矯正することがやはり重要です。1回の施術でよくなる方もいれば長くかかる方もいらっしゃいますが、骨盤をはじめ骨格というのは筋肉の影響や普段の生活のクセですぐに歪んでしまうものです。

今回ご紹介したストレッチや体操などの運動と定期的な施術を継続することで

現在だけでなく年齢を重ねてからも綺麗な姿勢を保つことができます。

 

お越しくだされば、今回ご紹介したストレッチの方法なども詳しくお教えすることもできます。

 

榊城整体院には、長年通ってくださるお客様も多く80歳を超えてもゴルフを続けている方やお年を召してからもスーツを着こなしている方も大勢いらっしゃいます。目先のスタイルアップと戦うのではなく、健康的で美しい姿勢を手に入れていつまでもかっこよくスーツを着こなしてください。

 

整体の知識や施術例、身体とこころに関することをブログに書いています

榊城整体院院長 榊 城 Sakaki Jo

1977年生まれ。祖父・父・兄が揃って「整体・指圧・マッサージ」の治療院を開設する、いわばこの世界のサラブレッド。学生時代はスポーツ(ゴルフ)に取り組み、大学卒業後、会社員を経てこの世界へ。

2005年独立開業。以来、からだに触れながら、その背景にある生活スタイルやこころのバランスなどにも目を向けた、トータルケアを心がけている。

平成16年 国家資格 あん摩マッサージ指圧師免許取得(第121762号)