私のお客様からご相談があり、ギックリ腰になった同僚がいるので私の施術で良くならないかというお話がありました。もちろん、何度も施術したことがあるので大丈夫ですと申し上げました。
紹介者の方に「2,3日後に施術することが理想ですが、発症してから何日ですか?」とお聞きすると、本人と話せていないが3日は経っているのではないかと仰ったので、今日でも良いですよとご連絡すると、その日に来ることになりました。
発症当日は炎症が強くて痛くて患部がカッカッしている状態ですから、患部を押したくありません。余計に痛くなることもあります。2,3日後ならまだカッカッしているけれども少し落ち着いた状態になり患部を押すこともできます。
さて、同僚の方がお見えになりましたが小股でしか歩けません。歩くのが遅いです。タクシーでいらっしゃったのですが、乗り降りも大変だったそうです。腰が辛い方は車の乗り降りが結構大変なんですよね。
施術の前にお話を聞いたところ、前日に痛めたそうです。ちょっと話が違いますが、仕方がありません。それならそれで対処すれば良いことです。下のものを取ろうとしたときにギックリ腰になったようです。このケースは多いですね。その後、病院へ行って痛み止めの注射を打ってもらい、湿布薬をもらったそうです。
翌朝、仕事へ行くために起き上がろうとしたのですが、腰が痛いために2時間もかかってしまったそうです。なかなか聞かない話ですよね。2時間は長すぎます。あまりにも痛かったのでしょう。それでも休まず出社したのですから凄いとしかいいようがありません。
施術を開始し、話をさらに聞いてみると右膝が痛くて昨年手術したものの、まだ調子が良くないそうです。それから、首が痛くなり動かせなくなる時もあるのだとか。色々と状態の悪い話が出てきます。きっと長年かけて悪くなっていったのでしょう。その中で、たまたま今回は腰痛になってしまっただけであって、根本から治してあげないとギックリ腰が自然治癒で治ったとしても、身体のどこかが悲鳴を上げて痛みを繰り返すのではないかと想像します。
施術に戻りましょう。
ベッドへ寝たり起き上がったり、寝返りすることも痛くて苦労しますから動作に時間が掛かります。しかも身体に負担がかかるため、長々と施術することはできません。ポイントだけ背中・腰・大腿部を緩めます。当然、施術しやすいことはないのですが、思ってたよりは苦労せず指圧・マッサージ・整骨できました。
さて、どうでしょうか。寝返りやベッドから起き上がることが少し素早くなりました。歩いていただきましたが、小股ではありません。まずまずの歩き方です。最初としては十分だと思います。お客様は安心されたようで、ひとまずホッとしたところです。
但し、安心してはいけません。これがいつまで続くか分かりませんし、また元の状態に戻ることもあります。次回は1週間前後で来ていただきたかったのですが、予定が合わなく10日後です。それまでは食事・睡眠以外のコルセット装着と医師の指導の範囲内で湿布を積極的に使うようお願いしました。
2回目はかなり歩けるようになりました。しかも青山一丁目から歩いてきましたから15分~20分くらいかけて歩いていらっしゃいました。もうこれで順調なことは分かります。それに加えて、2日前と1日前にはジムでストレッチまでしてきたそうです。ただ、私はもう少し休んだ方が良いと思っているのでまだ控えめにするようにお願いしました。
症状に関して痛みはほとんどなく前傾姿勢をとると腰が突っ張るくらいです。これぐらいはあって当然ですし、もっと症状があったとしても何ら問題ないと思っています。
腰が良くなってきたので、首の施術も加えました。前回より筋肉の張りが良くなり悪い部分が減っています。腰を反らす体操を指示して次回は2週間後にしました。
2週間後は仰向けになったときだけ腰に痛みを感じていました。これはまだ腰の筋肉が硬くて腰椎から仙骨までが丸まっているのではないかと思います。やはり、腰を反らす体操は必要なようです。
この間、腰より首の方が痛くなった時があったので首と腰を中心に緩めるよう施術。右腰の張りや右の仙骨にある筋肉に弱さはあったものの、応急処置はこれでおしまいにしたいと思います。なぜなら、私がお教えした自己管理の仕方で身体はもっと良くなっていくからです。
実際に、その後もその方は順調なようですよ。
1977年生まれ。祖父・父・兄が揃って「整体・指圧・マッサージ」の治療院を開設する、いわばこの世界のサラブレッド。学生時代はスポーツ(ゴルフ)に取り組み、大学卒業後、会社員を経てこの世界へ。
2005年独立開業。以来、からだに触れながら、その背景にある生活スタイルやこころのバランスなどにも目を向けた、トータルケアを心がけている。
平成16年 国家資格 あん摩マッサージ指圧師免許取得(第121762号)